佐倉【歴博】はお勧めです
千葉県佐倉の〈国立歴史民俗博物館〉-通称【れきはく】に行きました。訪れたのは初めてだけど、たいへん面白かったです。「見せる」工夫が凝らされている。上野の〈国立博物館〉だと、途中で眠くなっちゃうけれど、ここはあんな退屈じゃない。墨田の〈江戸東京博物館〉は面白いが、【れきはく】はあれよりも優ってます。
最新の研究をわかりよく見せているので、「通」な人にもいいと思うし、ポップな雰囲気は子供でも楽しめます。外国人の友達とか連れてっても面白そう。

◆ユニークな縄文展示
とりわけ僕に面白かったのは、旧石器~縄文時代。例の「捏造」も展示されてて、そのへん良心的だと感じました。シベリア・中国・朝鮮らとの比較もわかりやすい。日本中の縄文土器を総並びにした展示では、各地の特色が一目瞭然です。
並べられた曲玉は、もう見るからに「エラつき胎児」で、さながら「ヘッケルの発生進化」を見るようでした。やっぱこの点は西原克成先生の言うとおりだ。
だいたい狩猟民族って、獲物を殺して解体する…って繰り返してる毎日なんで、「腹子」をさばくのも日常時です。だからあのカタチを「生命の元型」って見立てたわけでしょうね。それが後に洗練されて、シンプルな「人魂」型に変わってったのだと思いました。
◆土偶・石棒・性器信仰
また土偶の総並びも壮観で、呪的な空気がビンビンです。たいがい「小錦ビーナス」な体型なんで、やっぱ母性崇拝ですよね。「遮光器」をつけてるって点ではモロに北方起源だし(雪焼けを防ぐためシベリア民族やエスキモーがよくつける)、「獣面」があるって点では狩猟民の〈動物変身〉信仰を思わせます。線や模様がいっぱいあるのは、イレズミやボディ・ペイントだったんでしょう。想像すると怖いけど…。
土偶とセットで石棒もよく出るらしいが、そっちは男性のアレってことで。
あと思わず笑っちゃったのが〈性器崇拝〉を彫った柱。魔除けだったらしいけど、上の「女性の象徴」なんて、今もよくある「落書き」を連想しちゃう。むかし栗本慎一郎が書いてたけど、欧米人はアレを立体の「凹」として認識するので、日本じゃ平面の「◎」なんだって説明しても、全然ピンとこないんだとか。するとアレに対する日本的イメージって、意外にものすごく旧いのかも(ああ、おいらはなに書いてんだ?)。
◆加速度づく文明進化
あと見て回って思うのが、〈文明の進化〉がドンドン加速度づいていること。はじめは「数千年でゆっくり変化」だったのが、いつの間にか「百年で激変」ってテンポに変わってきます。正直言って怖いほど。ズンズン建物もでっかくなり、モノの増え方も著しい。
「箸墓古墳」のジオラマじゃ、周囲の現代民家まで細かく再現されちゃって、笑いました。あのへん住んでる人たちは、自分ちが展示になってるって、知ってるのかな?
◆民俗展示がまた面白い
〈歴史民俗〉と銘打ってるだけあって、〈民俗〉の方も力が入ってます。山村・漁村・漂泊民から南島・アイヌまで視野が広く、日本文化の成り立ちって〈多起源〉だなあ…と納得できる。稲作だけが日本文化じゃない!ってことです。差別部落も扱われていて、その展示前で、二人のおばあさんが「私の近所でもあったのよ、こういうの…」なんて話してました。
現代大阪の繁華街とか、取り壊された渋谷・同潤会アパートの展示もあり、その多彩さは素晴らしい。これで420円! なんておトクなんだろう。
◆ご注意
①敷地じたいが「佐倉城」跡です。公式サイトは→★こちらから。
②今は第三展示室(江戸時代)は、工事中で休室です。
③とにかく広いです! 僕は1時に入館して、見終わったのは閉まる5時の寸前でした。見学は時間に余裕もってね。
④国道296は狭いのでムッチャ混みます(特に休日)。車なら東関道を利用するか、あるいは鉄道のほうが確実かも。
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コメント
たしかに、歴博、面白いですよね。
しかし半日見てまわるとは、すごい。
私は博物館など長くても1時間でへとへとになります。
投稿: 富士五郎改め剛志 | 03/13/2007 09:23 午前
富士さま、こんばんはです。
「れきはく」はお客が少なかったのも僕には良かったです。人が多いと疲れます。前に上野で「始皇帝の兵馬俑展」に入った時は、ひたすら押しくらまんじゅうで、ただくたびれて終わりました(結局何も見れなかったような)。
投稿: 弓木 | 03/14/2007 01:33 午前